日本国の死刑制度が人権尊重や国際世論の批判となることを防ぎ、犯罪者を社会に有益なる存在たらしめるための穏健なる提案

日本国では、毎年数名の人間が法律にしたがって殺されている。人権を尊重すべき国家という組織が合法として人の命を奪って良いのかという問題は長年議論されている。かつて魔女狩りと称して罪もない人々を死刑にしてきたヨーロッパは、現在では過去を反省し死刑制度を廃止している。

少しでも、この国の現実を理解できる人であれば、以下のことに同意してもらえるだろう。
日本国では、最近10年の数値で、年間平均値は死刑確定数9.5件、死刑執行数4.3人である。このペースでは、死刑が確定したまま執行されずに刑務所で死を待ち続ける人は毎年5名程度増えていくということである。しかも2018年現在死刑因はすでに120名あまり存在している。
このように、日本国は多くの死刑因を抱えており、今後も増えていくような状況である。このことは、ますます国際世論の反発や人権問題が大きくなることを意味する。それゆえ、国際世論を納得させる方策を発見した人物がいるならば、その者は、素晴らしい功績をたてた人であるから、国家の保護者として銅像を設置するに値するであろう。

だが私の目的は、ただ単に死刑囚を減らすことにとどまらない、より広義の目的は、日本国の安全保障を高め、より安心して暮らせる社会を実現することにある。

私は数年間、この重要な問題について思いを巡らし、他の国々の死刑制度について慎重に分析していった。死刑制度のメリット、デメリットを検討し、その歴史を明らかにし本質的な意味付けを行った。そして確実に効果があるのかどうかまで議論すれば、死刑制度というものは多くの批判をうける割には、その効果は限定的である。

私の提案は、どのような犯罪者でも、命によって償うことなく、さらに社会不安を生じることなく残りの人生を過ごしてもらうというものである。この提案を実行すれば、国家による殺人を行うことなく、また再犯も未然に防止することができるのだ。

私の提案には、もうひとつの大きな利点がある。それは、より広い範囲の社会の安全、国際的な安全保障にも貢献するということである。死刑に相当するような犯罪者は、その命が存在するということだけで国家の安全に寄与することができる。

そこで、私は謹んで以下の施策を提案する。おそらく誰も異議は無いものと思われる。

死刑制度を廃止し、極刑に相当する重大な犯罪を犯した者は、国境の無人島にて生活し、国境警備の任務を与える。

日本国は島国で国境はすべて島になる。ところが島であるが故に、警備が難しく簡単に他国の侵害を受けてしまう。このような状況で最も効果的な対処方法は各島に警備の人間を配置するというものである。現在日本国は、択捉島や竹島など国境において非常に不安定な要素を抱えている。これはその島に日本人がいなかったことが最大の問題だったのである。そこに日本人がいるということが国境という問題において重要な意味を持つ事はこれらの例で明らかである。

これらのような過去の過ちを繰り返さないために、今後国境警備には人を配置する事、これこそが最大の安全保障である。ただ日本国は島国ゆえに国境の島々に人を配置することは、陸続きの警備とくらべ非常に難しい問題となる。そこで極刑をうけるような重大な犯罪人が、国家や社会に対して罪を償う場合、この困難な役割を担うことで、まさに罪を償ってあまりある貢献をすることが可能となる。

ところで、最近になって真の愛国者として尊敬される人物から、私の提案をより良くするためのアイデアをいただいた。
彼が言うには、重大な犯罪者を国境警備だけに当てるのではなく、海外の紛争地帯の平和活動の任務も与えたほうがよりよい提案になるという。世界の紛争地域での平和活動はとても危険が大きい、しかも、平和活動の名目があるため武器による威嚇や防衛武装も十分に行うことが難しい。このような条件では、そう簡単に正義感だけで貴重な人材を派遣することは難しい。そこで、重大な罪を犯した人間の償いとして、そのような地域の平和活動任務を与えるべきだというのである。

もちろん罪を犯しているのだから、武装はせずに丸腰で活動していただくし、現地でなんらかの犯罪(再犯)を犯せば、現地の裁判にてしっかり償ってもらえば良い(紛争地域のため、そもそもまともな裁判が無いかもしれないが、それは現地の実力者に委ねる)。このようにすることにより、日本が積極的に平和のために活動していることを国際社会にアピールすることができ、さらに、派遣された人間(罪を犯した人間)が、どれだけ日本が平和で素晴らしい国であるかを実感し、平和を破壊する愚かな行為をしてしまったかを反省するよいきっかけにもなるというのである。

しかし、この尊敬される愛国者のアイデアはまさに敬意を払うべきものであるが、必ずしも彼の考えに賛成するわけではない。
まずなんといっても、治安のよい日本には、それほど多くの重大な犯罪者がいないということである。先にも説明したが、死刑に相当する者は100名程度、この人数でも広大な日本の国境島を警備するのにも不十分なのに、さらに海外の紛争地域に派遣するには、あきらかに人数が足らない。また殺人癖があるような異常な犯罪者であれば、紛争地帯にそのような人間を派遣することは、猫にマタタビを与えるようなものである。紛争を解決せずに、嬉々として紛争を拡大するかもしれない。

ただ昔から日本人は、傭兵として優秀な人を輩出しており、その武装能力は世界にもひけをとらない。江戸時代、山田長右衛門がシャムの国において武力で現地を制圧し、国王にまで成り上がった例もある。このように、日本人の武力を活かして紛争地域の実力者としてトップに上り詰めることが、紛争解決の一番の近道になるかもしれない。

話がかなり脱線してしまった。本題に戻る。私の提案の長所をみると、明らかに最も重要視されるべき点が数多く存在する。

第1に、国家が個人の命を奪う制度を廃止することで、国際世論の批判を受けなくなる。

第2に、国境の警備レベルをあげ、東アジアの安全保障と国家防衛の安定に寄与する。

第3に、今後、新たな国境紛争問題が起きにくくなる。

第4に、重大な犯罪を起こした者を通常の社会から地理的に隔離することで、一般人の社会不安を払拭することができる。

第5に、重大な犯罪人は、これまでのように塀に囲まれた狭い中で一生を暮らすのではなく、大自然と向き合いながら一定の自由の中で生活できる。これまで以上に人権に配慮した処置となる。

この他にも多くの利点が挙げられるだろう。
たとえば外国が武器をもって攻撃してきて国境を警備している犯罪人を殺害した場合、まさに専守防衛の大義名分を得ることができ、
自分の手を汚すことなく犯罪人を他国の手で処分できるのである。
話を簡潔にするために、これ以上は省略する。

私には、この提案に対して異議申し立てがなされるなどと考えることができない。
多くの人々には、ぜひ次のことを認めていただきたい。
国境を警備するためには通常守るための壁や、反撃するための武器が必要である。しかし本提案では、堅固な壁も武器も必要ない。
そこに住むという事が最大の目的である。そのため自然を破壊することなく安価に国境を効果的に警備することが可能である。

私自身について言えば、長年にわたって無益で無駄で非現実的な考えを提案することに疲れきってしまった。ついに人生を諦めかけた時に、幸いにもこれまでに述べた提案を思いついたのである。これは明らかに斬新で、現実味があるから、これこそ真に価値ある試みとも思えるところがある。死刑制度を廃止し、先進国の一員として人権に最大限配慮することができ、国家の安全保障の一翼を担うことができるのである。

私は、良心に賭けて、この提案に関して何ら利害関係が無いことを明言する。ただ日本国が死刑制度を廃止し、平和と人権を最大限尊重した国家を実現すること以外に何ら関心を持っていない。私は、重大な犯罪を犯していないから、したがって国境警備の任にあたることができない。

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